アデリアレトロ開発秘話

アデリアレトロ開発秘話

今となっては、大ヒット商品と言っていただけるほどご好評いただいているアデリアレトロですが、商品発売までの道のりは平坦ではありませんでした。

この記事では、可愛いグラスの裏に秘められたアデリアレトロの開発秘話について語ります。

書き手の私は、実際にアデリアレトロの開発に携わったメンバーの1人である桐本です。

開発当時の2018年初旬、20代若手女子社員3人のチームが商品開発のプロジェクトの1チームとして編成され、どんなグラスを提案しようか模索していたタイミングでした。

メンバー

きっかけはInstagram

市場調査の一環でInstagram内で「#アデリア」で検索してみた時のことでした。
(アデリアは私たちが属する石塚硝子の食器のブランド名で、毎年新製品を世に出しています。)

数ある製品の中でどの製品が投稿されているかな?と思って見ていたのですが、意外なことに今の製品と同じくらいたくさん昭和当時に生産された古いグラスの写真が投稿されていることを発見しました。

この時、ユーザーにとって「アデリア」は古いグラスという印象で捉えられてるのではないかと思いました。

そしてその投稿されていたグラスがかわいかったことも印象的でした。

元々レトロなものが好きなメンバーが多かったので、これで提案しようと会議に挑みました。 

インスタ調査

会議で提案が通らない

「昭和当時のアデリアのプリントを活かしたレトロなグラスを作りたい。」と会議で提案しました。

私たちはレトログラスの可愛さに疑いも持たず、自信を持って提案したのですが結果は…

「古くさいんじゃない?」「今更この手の商品を作るのか〜」と全く芳しくない反応であっさり却下されてしまいました。

この時は「何でこの可愛さが伝わらないんだ!」と悔しさでいっぱいでしたが、今になって思うと、50代上司と我々に感覚の差があるのは当然だったのかも知れません。

私たちは平成生まれでこういうグラスは新鮮に映る一方、彼らは当時リアルタイムでそれらを使っていたのですから。 

第一弾

地道な市場調査で資料づくり

諦めきれず地道に市場調査を繰り返し、次の会議に備えます。

提案のきっかけのInstagramに立ち戻り、アデリアの投稿のうちいくつ古いグラスが含まれているかを数えました。

その時の数え方はといえば、数取器という野鳥の会が使うようなもので永遠にカチカチする超アナログ作業。

若さゆえ他に方法が思いつかず、非効率な調べ方でしたが3,000件近くの投稿を目で見て分析したおかげでレトロファンの間で人気のある柄や形状までばっちり頭に入りました。

調査

その他、雑貨店の売り場を調査してレトロな商品にはどんなものがあるのか調べたり、

アンティークマーケットという古いものを売っているお店が集結するイベントに足を運び、実際にアデリアの古いグラスを売っているショップの方に突撃インタビューをしたりして、レトロなグラスが売れる裏付けになりそうな要素を集めました。アンティークマーケット

それでも提案が通らない

調査結果をまとめて再度会議で提案するのですが、調査のターゲットが狭いことを指摘され、またも却下に。

それでも諦めきれない私たちは、今度は営業さんに同行してもらい客先訪問をしました。全国展開の雑貨ショップのバイヤーの方で、私たちよりもはるかに市場のトレンドに詳しいはずなので参考になるご意見をいただければと思い伺ったのですが、

何とその場で「製品化したら販売する」と確約までいただきました! 

テスト販売が許可される

お客様に仕入れてもらえる確約をいただいたことをネタに再度会議で提案しました。

満場一致で認められた訳ではありませんが、上司の中の1人が「こんなに頑張ってるんだからやらせてあげたら…」と助け舟を出してくれて、500個のテスト販売をすることが決まりました。

通常のプリントグラスの生産ロットは2,000〜3,000個なので正直、500個か〜とは思いましたがもうやるしかありません。

生産数が少ない分、単価が高くなってしまうため不利な条件ではありましたが、市場調査でレトロファンの方の熱量を体感していた私たちは、それでも売れると信じていました。

そのタイミングで発売を告知できるようにInstagramも立ち上げ、準備を整えました。 

そしてテスト販売がスタートしどうなったかというと…

売れました!

500個が即無くなるということはありませんでしたが、ポツポツと売れていく様子を見て、すぐに本生産の企画を立てました。

その後 

本生産品を発売してからは軌道に乗り、今では60以上のアイテム数になり、販売個数は累計で100万個を超えるまでになりました。

500個のテスト販売の頃からは想像もしていなかった結果です…! 

当時は悔しさや苦しさを味わっていましたが、こういった苦労話もメディアの方に注目してもらえるネタになって結果良かったなと思います笑

 

今後は商品にとどまらず、アデリアレトロを「体験」してもらう場を増やしていきたいという新たな目標に燃えている私たちです。

これからもメンバー一同頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!


ADERIA RETRO Instagram